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ブラックウェル館は、家族に団らんと安らぎの場を与える憩いの館として生まれました。威厳に満ちた印象を与えるだけでなく居心地のよさも考えられた家庭的な雰囲気が漂います。自然環境や手作りの美しいものが惜しみなく取り入れられた贅沢な生活空間―ここでは、産業革命期に裕福な家庭だけが味わうことのできた理想のカントリーライフを今でも肌で感じることができます。
設計者ベイリー・スコットは、家屋の価値は人が住み日々の生活を営むことで生まれると考えました。彼の意思を受け継いで、この館は博物館ではなく生きた空間として公開されています。訪れる人々は窓際に取り付けられた腰掛けで足を休め風景に酔いしれたり、大広間に置かれたベイリー・スコットのデザインによるピアノで音楽を奏でたり、思い思いの時を過ごしています。ここでは時おり夕食会やコンサートが行われ、現在も私たちに優雅なひとときを楽しませてくれます。
ブラックウェル館では、各部屋に個性的なデザインの暖炉が見られます。設計者ベイリー・スコットは、暖炉は心にも体にもぬくもりをもたらす屋内の太陽のような存在だと考え、部屋の中心的要素として取り入れました。炉辺をゆったりとした座席が囲み、こじんまりとした団らんのスペースとなっています。冬の寒い日に大広間の暖炉に赤々と火がともされると、湖水地方の厳しい気候を忘れさせてくれます。
館では、もともとの内装の調和を保ちながらも常に新しいインテリアを取り入れています。大広間に見られる敷物は館が建てられた時期にリバティーのデザイナーとして活躍していたアーチボールド・ノックスの図案がもとになったものです。これまでに製品化されることのなかったデザインをリバティーに特注で作らせたものです。各部屋のクッションやカーテンもウィリアム・モリス、ヴォイジー、ノックスのデザインで、さりげなく館に生活感を添えています。ブラックウェル館のインテリアから得たアイデアを自宅に持ち帰って活かそうとする来館者も多く見られます。 |